WordPressやEC-CUBEなどのCMSを利用するためには、データベースを準備する必要があります。
多くのWebサーバーにおいて、「データベースを作成する」などのボタンをポチッとすれば、あっという間にデータベースを作成できるものですが、ファーストサーバ株式会社の『Zenlogic(ゼンロジック)』というWebサーバーは少し勝手が違いました。
特にMySQL5.6を利用したい場合は、PHPのバージョンを変更したり、自分でphpMyAdminをインストールしたりと結構手間がかかる……
(ちなみに、MySQL5.1を利用する場合は、管理画面から簡単に導入できます)
そこで今回は、自分自身へのメモがてら『Zenlogic』でMySQL5.6を利用したい人向けに、詳しい手順や注意点をご紹介させていただきます。
目次
手順1:データベースの初期化と起動
Zenlogic では「MySQL 5.1」「MySQL 5.6」「PostgreSQL 8.4」の3種類のデータベースを利用できるのですが、初めて利用するときには自分で利用開始の手続きをする必要があります。
まずは『Zenlogic』のカスタマーポータルにログインして
をクリック
ページ下段の機能一覧から
をクリック
任意のパスワードを入力して
※もし「MySQL5.6」だけでなく「MySQL5.1」も利用する場合はポート番号を別々にする必要があります。
データベースの初期化が完了
手順2:FTPアカウントを作成する
次に、サーバー上にファイルをアップロードできるように「FTPアカウント」を作成しましょう。
コントロールパネルの機能一覧から
をクリック
をクリック
アカウント名とパスワード、どのディレクトリまでアクセスして良いかを入力して[登録]
FTPアカウントの作成が完了
手順3:PHPのバージョンを確認する
この記事を書いている2018年3月現在、phpMyAdminは4.7系と4.0系が提供されているのですが、それぞれの動作環境は以下になります。
- 4.7系
「Current version compatible with PHP 5.5 to 7.2 and MySQL 5.5 and newer. (PHPのバージョンは5.5~7.2、MySQLのバージョンは5.5以上)」 - 4.0系
「Older version compatible with PHP 5.2 and MySQL 5. Does not support PHP 5.5 or newer.(PHPのバージョンは5.2、MySQLのバージョンは5。PHPのバージョンが5.5以上は動作対象外)」
今回利用したいMySQLは5.6なので、phpMyadminは4.7系を利用することになります。
この場合、Webサーバーで稼働しているPHPのバージョンが5.5以下だと動作しないので、念のためZenlogicの管理画面からPHPのバージョンを確認しておきましょう。
Zenlogicのコントロールパネルの機能一覧から
現在のPHPのバージョンが表示されるので、下記の図のように5.3などを利用している場合には、5.5以上のPHPのバージョンを選択して
内容を確認して
PHPの設定変更が完了
手順4:phpMyAdminを入手してアップロード
まずは公式サイトのダウンロードページへアクセスして
をクリック
ダウンロードしたファイルを解凍して任意のフォルダ名(phpmyadminなど)に変更
解凍したフォルダの中にある
というファイルをコピーして に名前を変更
メモ帳などで
を開き$cfg['Servers'][$i]['host'] = 'localhost';
となっている場所を
$cfg['Servers'][$i]['host'] = '127.0.0.1:(手順1で設定したポート番号)';
に変更。(ポート番号を変更している人は特に注意!)
$cfg['blowfish_secret'] = ''; /* YOU MUST FILL IN THIS FOR COOKIE AUTH! */
となっている場所を
$cfg['blowfish_secret'] = '(任意の文字列)'; /* YOU MUST FILL IN THIS FOR COOKIE AUTH! */
に変更する。
FTPソフトなどを利用してphpMyAdminのフォルダを、Zenlogicのインストールしたいディレクトリにアップロード
手順5:phpMyAdminの初回設定
「http://ドメイン/設定したフォルダ名(phpmyadminなど)」にアクセスすると、phpMyAdminのログイン画面が表示されるので、手順1で設定したアカウントを入力して
「phpMyAdmin 環境保管領域が完全に設定されていないため、いくつかの拡張機能が無効になっています。理由についてはこちらをご覧ください。 」とアラートが出ているので
をクリック
「Create a database named ‘phpmyadmin’ and setup the phpMyAdmin configuration storage there.(『phpmyadmin』という名前のデータベースを作成してphpMyAdminの設定を保存します)」と出ているのでCreateをクリック
全ての項目が「OK」になっていることを確認してphpMyAdminの設定完了
データベースユーザーの作成(データベースの作成)
最後にデータベースユーザーを作成しましょう(ユーザーの作成と同時にデータベースも作成されます)
phpMyAdminの管理画面にアクセスして
をクリック
ページの中段くらいにある
をクリック
下記の通りに入力
- User name:アカウント名(任意)
- Host name:ローカルを選択
- パスワード:パスワード(任意)
- Re-type:パスワードを再入力
「同名のデータベースを作成してすべての特権を与える。」にチェックを入れるとともに、グローバル特権についても
を選択
ページの一番右下にある
をクリック
データベースユーザーの作成が完了するとともに、同名のデータベースも作成される
まとめ
公私ともに『エックスサーバー』のヘビーユーザーのため、『Zenlogic(ファストサーバー)』を使うのは実は今回が初めてでした。
データベースを1個作るのに、phpMyAdminを自分でインストールするところから始めることになるとは……
作成したデータベースを使って、WordPressをインストールする方法については、以下の記事をご確認ください。
ちなみに、私が普段利用しているエックスサーバーでWordPressを導入する方法については、以下の記事をどうぞ。難易度に恐ろしい開きが……(笑)